古田武彦

「君が代」は九州王朝の讃歌 古田武彦 新泉社

国家である「君が代」は、小学生の頃より何度も歌っている歌であるが、作詞作曲者は誰?と聞かれて堪えられる方は何名いるでしょうか。皆様は答えられますか?
「えーと、確か、古今和歌集に載っていた……」と、言える方はかなりの歴史好きか、教養のある方であるとお見受けします。「古今和歌集」に載っていた「読人しらず」とされている歌であることは間違いなのですが、実は、もっと古くから九州の神社に代々伝わってきた歌であったと言うのが、話の大筋です。世に出ることになった経緯を解説のように折り込み、仲間の方と足跡を追っていく記載手順は、そのテーマとともに個人的に「やられたなー」と感じさせられる書物です。はっきり言って、うまいし、面白い。しかし、唯一その面白さを半減させてしまうのが、古田武彦氏の持論である「九州王朝」説です。なぜ、ここまで「九州王朝説」に固執するのか。まー、固執するからこそ、古田武彦でもあるのですが。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)
Pasted Graphic 4

読みやすさ  ★★★★★
着想の奇抜さ ★★★★
論理の力強さ ★★★★