前方後方墳の謎 植田文雄 学生社

前回「考古学教室」を紹介してから、「考古学を知るのに最も分かりやすい教科書は何?」という質問をいただきました。いろんな本があるのですが、私が必ず紹介するのが、この本です。何と言っても読みやすいし、分かりやすい。この植田さんという方の「前方後方墳」に対する思い入れがひしひしと伝わってくる、とても良い本だと思います。前方後方墳だけわかっても……. ご心配なく。古墳がどのように遷移したのか、古墳をどのようにして作るのか、そして、古墳をどのようにして見分け、どのようにして計測するのか。という全てが書かれています。そのための、土器の見分け方も書かれています。いたるところに散りばめられている、個人的な歴史観もなかなか面白い。狗奴国にまで突っ込んでいますが、「そうかもしれない」という説得力もある。まずは、読んでみてください。読んだ後、「神郷亀塚古墳」をとにかく見てみたくなりますが、実際行くと、ちょっとがっかりします。考古学とはそんなものだと思います。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)
Pasted Graphic 4

読みやすさ  ★★★★★
着想の奇抜さ ★★★★
論理の力強さ ★★★★