古代の琉球弧と東アジア 山里純一 吉川弘文館


沖縄以外の日本人は、沖縄の歴史を学校で学びません。古代、中国の正史の中でも、隋書では「倭人伝」と「流求伝」は別にして記載されていました。沖縄が日本の九州、本州、四国とは全く別の歴史を育んできたのですが、その根本を知らずに、現代起こっている沖縄の基地や辺野古の問題も語ることはできないのではないかと思います。もちろん、古代史までも知る必要があるかは別ですが、沖縄の古代史が、九州、本州、四国と全く違った歴史を持っていることを知るのも興味深いことだと思います。日本書紀に登場するのは、屋久島や種子島、奄美大島までです。その先の琉球諸島は全く登場してきません。隋書「流求伝」に書かれた、その風習や食生活には愕然とさせられるものがあります。本当のことなのか?と疑いたくなりますが、嘘であるとするなら、隋書倭国伝も中国の正史自体の記述を否定してしまうことになってしまいます。まずは、読んでいただきたい。そして知っていただきたい。その上で、いろいろと考えていただきたいと思います。私は、日本人の祖先がやはり南洋の島々からやってきたのだという確信をこの書を通して得ることができました。感想は人それぞれだと思いますが、まずは是非知ってもらいたいと思います。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)

Pasted Graphic 4

読みやすさ  ★★★★
着想の奇抜さ ★★★★
論理の力強さ ★★★★