入門者のための考古学教室 山岸良二 同成社

考古学というのは、ちょっと片意地を張ったところのある学問です。まず、古代から伝わる史書というのを信じない。少し言い過ぎかもしれませんが、そんなところのある学問です。では、何を信じるかというと、実際に目にするもの、発掘されたものです。その情報を集めて、体系化していくというのが考古学です。ですから、考古学を俯瞰的に説明するというのは難しいのだと思います。
この本は、歴史に興味はあるけど、考古学の「こ」の字も知らないという読者を対象として書かれているようです。日本原人から奈良時代あたりまでを200頁程度にまとめるのですから、仕方がないのですが、どうしても表層的で特異な事象に偏ってしまいます。こんな見方もあるんだということを知るには良いのかもしれません。この本で何かを得ようとするのでなく、歴史への取り組みの一歩として活用してもらえればと思います。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)
Pasted Graphic 4

読みやすさ  ★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★